いつかこうなるとはわかっていました。
というより、こうなることを望んでいました。
以前から心の病気だとはわかっていましたが、本人がどうしても精神病院には行きたらがらずに治療できずにいたのです。
「私は精神病なんかじゃないのに娘たちが精神病院へ閉じ込めようとしている!」
と盛んにケアマネさんやら、かかりつけの先生やらに訴えていたようです。
母の施設の近くに大きな精神病院があり、そこの相談室に母の現状を相談したところ、強制入院の適用になりますと了解はとっていたので、あとは母を診察に連れて行くだけだったのですが、保留になっていました。
でも2年前にお世話になっていた、私がすごく信頼しているケアマネさん(妹が嫌がって担当を変えてもらってしまっていた)に相談したら「放置しておいてください。何を言われても取り合わないでください。そのうち絶対に彼女の方から動き出します。」と言われていたので、そして私もそう思っていたので、辛抱強くその時を待っていました。
そしてついに11月17日の火曜日の夕方5時前、その時がきました。
母が施設を出たのです。
「朝から誰かにツケ狙われています。外に車がとまっています。施設の中でも部屋に入られています。もうここにはいれません。とりあえず今日は次女の家に泊まります。」と施設の方に言い残して。
すぐに施設から電話があったので、私は妹の家に向かうことにして、妹の旦那にすぐに帰ってきてもらうように連絡しました。
妹は6時にならないと帰って来れないので、それまでに母が到着するだろうと思ったからです。
5時半ごろ、妹の旦那に「駅まで迎えに来て」と電話がありました。
彼が母を迎えに行ってくれている間に、私は、夜間救急対応してくれる病院を探して事情を話して、迎え入れてもらう段取りをつけました。
その後、母と会い、しばらくはみんなで母の言い分も聞きました。
病気と認知力の低下はいっそう進んでいるようでしたし、少し取り乱してもいました。
とりあえず病院へ行こう、救急外来で診てもらおうと言うと、
「あそこの(前から話している地元の)精神病院へは絶対に行かないわよ!あそこだったら車から飛び降りるわよ!」
とわめいたので、「あそこではないよ。今日の救急の当番病院はもっと遠いところだよ。」と言うと、案外すんなり納得してくれました。
どうも総合病院だと思っていたようです。
当番病院は車で高速を使って、40分ぐらいかかる遠くの山の上にある病院でした。
母は山が好きなので、そこでなんか心に響いたようです。(そこかい!
私たちは夜の高速道路を車を走らせて、山の上にある精神病院まで母を連れて行きました。
1時間ぐらいかけて先生は母の話を聞いてくれました。
母は、施設で毎日誰かに部屋を荒らされていること、外に出ると車がいつも待ち伏せしてツケ狙われていること、娘(特に私)にも嫌がらせをされたりしていること、夜も眠れず、いつもフラフラして辛いこと、など(他にもいろいろ)を切々と訴えて、自らの狂人ぶりをいかんなく表現してくれました。
その後話を聞き終わった先生は「つらかったですね。今日はここでゆっくり眠りましょう。」と優しくおっしゃいました。
入院なんて絶対拒否するのかと思いきや、先生の誘導により、自分で同意書にサインして病棟に歩いて行ったのでびっくりしました。
プロのお仕事ってすごいですね。
あんなにスムーズに事が運ぶなんて信じられませんでした。
保護入院ということで、保護室という部屋に案内されたのですが、部屋を見て内心びっくりしました。
まるで監獄です。
トイレとベッドしかありません。
廊下側には覗き窓があり、ドアは施錠されて内側からは開きません。
1週間ぐらいは外出時はいつも付き添いが必要らしいです。
着ていた服や持っていたものは全て没収になりました。
今、私の手元にあります。
ああ、精神病院の入院ってこういう事なのですね。
でも、モノと情報に囲まれすぎて、スペックが下がってしまった脳ではもういろいろなことが処理できなくて、苦しんでいた母にとっては安らげる場所でもあったのかもしれません。
処方されたお薬の効果ももちろんあるのでしょう。
翌日の昼間、あらためて妹と入院手続きに行き、恐る恐る様子を見た時の母は、少し呆けた感じでしたが、穏やかになっていました。
さぞかし怒ってるかな、帰るっていうかなと思ったら、今の状況をすっかりと受け入れているようで、次来た時に持って来て欲しいものなどを言ったり、帰りは付き添いの方と閉鎖病棟のドアのところまで来て、私たちに手を振ってくれました。
ああ、これでよかったんだ。
これからどうなっていくのか、なんとなく予測はできています。
しっかりと進んでいくだけです。
どうなったとしても後悔はないです。
ここからの様子は、このブログで書いていこうと思っています。
自分の日記として、また、どなたかの参考になれば嬉しいです。
ではまたね!