小津安二郎監督の「東京物語」を観た。
先日「PERFECT DAYS」を観て、とてもよかったので、ヴィム・ヴェンダーズ監督に興味を持った。
彼が絶賛している小津作品とはどのようなものかと思ってね。
それで。
いやあ、叫びだしたいような、なんとも言えない感情になった。
「PERFECT DAYS」を上回るインパクトだ。
老いた両親をうとましく思う子どもたち、それを感じる両親たちの寂しさや孤独。
どっちの気持ちも痛いほどわかる年齢になってしまった。
映像で観る東京や日本人の暮らしは、今とは全然違うけど、人の気持ちは変わらないんだね。
次男の嫁(原節子)だけが優しく接してくれる、気持ちを汲んでくれる、それがとても身にしみた。
夫を戦争で失って、深い悲しみを味わった人だからだろうか。
人は苦労や悲しみを体験した人だけが、人に本当に寄り添えるのだろうか。
だとすると、苦労や悲しみも悪くない。
人生は思ったほどよいものではないけど、捨てたもんでもないというような、まあでも、考えてみればそれが自然の法則なんだなと、しみじみした。
よいもわるいもない、影と光、陰と陽。
フラットな気持ちで明るく生きていこうなどと思うなどした。